https://ascii.jp/elem/000/004/142/4142608/
詐欺は、何年もの間、形を変えながら存在してきた。しかし、インターネットは古くからある詐欺の手口にも新たな可能性をもたらし、結果的に膨大な数の人々を危険にさらしている。
さらに、詐欺の手口はますます巧妙になっており、私たちは誰一人としてオンライン詐欺から逃れることはできない。インターネットを利用する機会が増えるほど、それを悪用する詐欺が広がってしまうからだ。よくある詐欺の例として、相続詐欺、ショッピング詐欺、偽の求人、偽の宝くじや懸賞金、ロマンス詐欺がある。
では、詐欺の手口をわかっていながら、被害に遭ってしまうのはなぜだろうか?金銭を騙し取る手口やソーシャルエンジニアリングの手法が非常に効果的である要因について、いくつかを以下に挙げる。
キャノンMJ
金銭を騙し取る手口やソーシャルエンジニアリングの手法が非常に効果的である要因
- 詐欺の手口が引き継がれ、巧妙化している:多くの詐欺の手口は、長らく使われる中で、そのノウハウや知識が「次世代」の詐欺師に受け継がれている。
- デジタル世界の「痕跡」が悪用される:十分に注意しない限り、標的がオンライン上で積極的に活動すればするほど、詐欺師に情報を提供することになる。その結果、騙される確率が高まってしまう。
- 詐欺師は話上手:優れた詐欺師は、現実に存在しそうなストーリーやペルソナを描き、スパムフィルターを巧妙にすり抜けてくる。また、社会的な緊急事態における恐怖心を利用するなど、世の中の情勢を即座に悪用する。
- 行動するよう焦らせる:詐欺師は、標的に物事をよく考えさせないよう、今すぐ行動に移すよう圧力をかける。
- 「無料」という謳い文句を使う:金銭的な問題を抱えている人や、楽に稼ぎたいという欲求につけ込んで、無料の景品や破格の投資収入を約束する詐欺も多い。
- 権威に反応する心理を利用する:人は、権威ある組織や役職にある人を信用しやすい。そのため詐欺師は、官僚、弁護士、経営者、特定の分野の専門家といった、高い専門知識を有する人物になりすます場合が多い。
- 注意力が散漫になっていると被害に遭いやすい:詐欺は頻繁に仕掛けられている。たまたま体調が悪かったり、気持ちが不安定であったりする日に仕掛けられると、詐欺に遭いやすいかもしれない。また、重要なことに気を取られている場合は、詳細まで注意が向かず、被害のリスクが高まってしまう。詐欺師は対象者の弱点を察知し、つけ込んでくることさえもある。
- 詐欺師は先を読もうとする:標的にかかってきた電話番号が正規のものか確認している間、詐欺師は標的の心を揺さぶりながらも、次の罠を仕掛けようとする。
- 優しさにつけ込まれる:弱い立場の人になりすまし、同情を集めて助けを求める種類の詐欺も確認されている。詐欺師は、「誰かの役に立っていると感じたい」という人の心理につけ込もうとする。
- 詐欺師は「共感」で信頼を勝ち取ろうとする:メッセージなどを介して、いわゆるロマンス詐欺師と出会った場合、詐欺師は相手の話に共感しながら交流を深め、信頼を得るために時間をかける。そして、相手の事情を深く理解したと信じ込ませ、どこまで付き合ってくれるかを試す場合さえある。
詐欺に遭った場合の対処法
※以下の手口を意識していると、予防できる:
- ソーシャルメディアで詐欺に遭ったら、サポートセンターに連絡。ショッピング詐欺であれば、詐欺に遭った旨をサービス提供者に通報し、支援を要請。
- 金銭が絡んでいるケースでは、銀行に連絡して状況を説明する。詐取された金銭を取り戻す際にとりわけ役立つ。
- 「賞金」獲得のために、いかなる支払いもしてはいけない。
- 株式市場やビットコインのプロジェクトから、金銭的な収益が見込めると言われても、事前に「税金」を支払ってはならない。
- 詐欺師に個人情報を知られた場合は、すべてのパスワードを変更する。
- ソーシャルメディアのプライバシー設定を確認する。写真にタグ付けしたり、コメントしたりできる人を限定する。
- 専門機関に詐欺を報告する。ヨーロッパならばCyber First AidのWebサイト、米国では司法省のWebサイトを開くことから始めると良い。