2022年後半のSEO

SEOの基礎的な要素を今更1から語ることはしないので、2022年後半により重要になってくると思われる項目だけピックアップしてみます。次の通りです。

SEOの森

https://seoer.work/seo-for-2022/

  • ビジュアル要素の強化:リッチスニペット、強調スニペットに表示される商品画像、図解画像などなど。そしてニュース枠や動画枠、ローカル検索(Googleマップ)枠の差し込み…さまざまなビジュアル要素が検索結果に表示される様になっている。検索結果には今後、テキストより画像や動画の面積の方が増える可能性が高い。
    • わかりやすく画像化する能力の高いインスタ勢、動画勢のSEO参入が進めばSEO勢力図も一変する可能性がある。
    • 画像、長尺動画、ショート動画それぞれユーザーのニーズが異なる。長尺動画は音声も含めた設計が必要。ショート動画は1カットごとの秒数がとても短く、15秒や30秒で必要最低限に削ぎ落とした説明を縦長の画角で表現する技術が必要。
    • 情報量がテキストの数千倍。これまでは回線の技術的な問題で普及が遅れていただけ。
    • ビジュアライズが有効なのは主に「形のあるもの」、つまり有形商材の場合。無形商材は図解などでビジュアル化してあげる。
  • 被リンク:被リンクのことを考えるときに1番見たいのは「ページの群」。検索エンジンはページとページの間のリンクをたどり、データを「リンクグラフ」として構築している。なので我々もリンクグラフで考えた方が検索エンジン目線で理解しやすい。
  • コンテンツ構造、サイト構造:要するに、1つのサイト内に情報をどの様に区切って配置するかの戦術。必要な情報が入ってさえいればあとはサイト内でどのように区切ろうと自由。重要なページ(特に売上において)は以下を重視する:
    • 最新の状態に常に更新する。
    • 上階層(トップ、カテゴリトップなど)からリンクする。
    • サイトワイド(グローバルナビゲーションやフッターなど)からリンクする。
    • XMLサイトマップを常に最新かつ網羅的にする。
    • ページの更新後はGoogle Search Consoleでインデックスのリクエストを行う。
  • フレッシュネス:新しさも大事。もうかれこれ10年以上、検索アルゴリズムで重視されてきているが、今後はより重視される。記事を書くなら常に最新の情報を追記し、古い情報は削除するくらいのリライトがSEOではもう必要。ただし、たとえば以下のようなことは訪問者が「騙された」と感じるきっかけになるため、やってはいけない:
    • タイトルをちょっといじって更新ボタン押す。
    • 内容を大して更新していないのにタイトルを【2022年7月最新版】などとする。
  • 何者かになる or 何者かと組む:SEOは完全に、何を言うかより「誰が言うか」のゲームになっている。いわゆるEATが影響しがち。個人より企業や公的機関が有利。専門外の人より専門家が有利。さっさと金をかけて「事業として」サイトを運用する方がSEOは楽。しばらく「経営」をきちんとやったその後でSEOを開始する、くらいの方がお勧め。自分で経営するのが大変なら、以下のような「何者かと組む」SEOを目指す。ただし永続的にやる必要は無い。いずれはやはりきちんと事業として取り組むのがベスト:
    • 寄稿して貰う。
    • 連載して貰う。
    • こちらからインタビューしにいく。
    • 有名なメーカーの商品を自サイト売らせて貰う。
    • こちらが寄稿する。
    • 上記を口実として相互にリンクし合う。
  • デジタル広報(PR):デジタル広報(PR)職とSEOを連動させる。コンテンツ制作、広報活動、被リンク獲得営業(SEOアウトリーチ)を1まとめに専任の担当者をつけて行うことが重要。被リンク獲得しやすいコンテンツを割り出し、社内へ伝え→広報で拡散、認知獲得を進め→リンク設置してねと社外の関係各位に伝える、の流れを作り出すのが主な仕事。
    • 広報のお仕事:会社やブランドのステークホルダー周辺の人々とのコミュニケーションを通じてより会社やブランドの価値を高め、売上やブランドを向上させていく。最初に年間の広報計画をコンテンツ企画と共に策定してしまう:
      • 広報の目的の策定
      • 年間のコンテンツカレンダーを制作
      • ついでに年間の広報スケジュールと発信内容も作成
      • 取材対応
      • SNS運用(ターゲット層とのコミュニケーション含む)
      • PR媒体やさまざまなメディア、インフルエンサー投稿の枠を抑える
      • 被リンク営業先リストを作成
      • 年間と月次の被リンク獲得目標を設定
      • 過去に獲得した被リンクリストの監視、管理
      • 被リンク依頼テンプレの作成
      • 競合の被リンクやデジタルPRの状況の定期的なリサーチ
      • デジタルPRチームのマネジメント
    • やるなら社長が陣頭指揮を:社長筆頭に社全体がこの施策に協力的である必要。社長権限で現場に決裁権をある程度渡すなどの方がスピーディにことが進む。
    • 一番の目的はSEOではないことに注意:あくまで広報職の延長としてのデジタルPR。基本的に広報は売上に余裕が生まれてから始める。
  • フレームワークにSEOを組み込む:SEOは総合格闘技。基本的な経営やマーケティングのフレームワークと連動させる方が理に適っている。
    • 3CとSEO:3Cは顧客、競合、自社(のサイト、コンテンツ、商品など)をリサーチし、どこに課題があるかを割り出す。肝要なのはまず顧客理解。次が競合。そして自社。ここの一領域にSEOがある。本来はこのように俯瞰した上でSEOの役割を理解すると良い。
    • STPとSEO:STPは市場をセグメントに分けて(Segmentation)、ターゲットを決め(Targeting)、どのような価値提供をするか(Positioning)を決めるもの。SEOはこの中で主にポジショニングの一部を担う。
    • 4PとSEO:4Pは製品(Product)を企画し、価格(Price)を決めたら、そのメディアや販路で流通(Place)させるかを考え、販促(Promotion)を行う…という4つの頭文字に由来。SEOはこの中で主に「販促」の一角を占める。
    • カスタマージャーニーとSEO:カスタマージャーニーは顧客が何も知らない状態から購入に至るまでの「旅」のこと。近い考え方では購買ファネルとかパイプライン(SFA)とか。知る(Attention)→興味(Interest)→検索(Search)→購入(Action)→共有(Share)は、AISASという有名かつ基礎的な購買モデル。主にウェブではジャーニーのそれぞれの段階で媒体やコンテンツを使い分ける。SEOでは主にAISASの「検索」が該当